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ヨルダン人集団における1型糖尿病感受性におけるHLA-DQA1、HLA-DQB1およびCTLA-4対立遺伝子の関与。

DOI:10.1007/s11033-025-10438-x

アブストラクト

背景:1型糖尿病(T1D)は、膵β細胞の選択的破壊によって引き起こされる慢性自己免疫疾患であり、インスリン欠乏症を引き起こす。1型糖尿病は、遺伝的因子と環境因子の両方が関与している。遺伝的要因の中では、ヒト白血球抗原(HLA)クラスII分子、特にDQA1とDQB1のハプロタイプがT1Dリスクと関連している。本研究の目的は、ヨルダン人集団においてT1Dに対する感受性を高める、あるいはT1Dに対する防御をもたらすハプロタイプを同定することである。

方法:健常人200人とT1D患者200人を対象とした。血液サンプルからゲノムDNAを抽出し、HLA-DQA1、HLA-DQB1および細胞傷害性Tリンパ球関連蛋白質4(CTLA-4)遺伝子領域をPCR法で増幅した。PCR産物は制限酵素消化にかけられ、アガロースゲル電気泳動で分析され、異なるハプロタイプが決定された。

結果:解析されたハプロタイプのうち、HLA-DQA1*01:01はT1D感受性の上昇と有意に関連していた。対照的に、HLA-DQA1*02:01とHLA-DQB1*05:01はT1Dに対する予防効果を示すようであった。その他のハプロタイプについては、対照群と患者群で有意差は認められなかった。さらに、CTLA-4多型に関しても有意差は観察されなかった。

結論:これらの所見から、HLA-DQA1*01:01はT1D感受性の遺伝的マーカーとして機能し、HLA-DQA1*02:01およびHLA-DQB1*05:01はヨルダン人集団においてT1Dを予防する可能性があることが示唆された。これらの遺伝的危険因子を同定することは、早期の疾病予防戦略や、T1Dに関連する新たな遺伝マーカーに関する研究の進展に寄与する可能性がある。

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