BAY 81-8973を投与された小児血友病Aにおける予防投与最適化のための投与ツールとしてのMy Precise DoseとWAPPS-Hemoの比較。
DOI:10.1016/j.thromres.2025.109305
アブストラクト
背景:従来の薬物動態(PK)パラメータ計算の基礎となったのは密なサンプリングであった。ベイズ母集団PK(popPK)の開発により、個々のPKはスパースサンプリングで推定できるようになった。My Precise Dose(MPD)およびWeb-Accessible Population Pharmacokinetic Service-Hemophilia(WAPPS-Hemo)はいずれも、BAY 81-8973のpopPKモデルを用いて個人別の投与量を予測している。
目的:WAPPS-HemoとMPDが提供するBAY 81-8973による小児血友病Aの予防投与に関するPKプロファイルおよび投与量予測を比較すること。
方法:重症血友病A小児患者38例を登録した。72時間のウォッシュアウト期間の後、各患者に50IU/kgのBAY 81-8973を点滴投与した。PKパラメータは、点滴前、点滴3時間後、点滴24時間後の3つの時点で算出された。FVIIIのトラフレベルを1IU/dLおよび3IU/dLに維持するための投与レジメンは、それぞれWAPPS-HemoモデルおよびMPDモデルを用いて決定された。
結果:年齢中央値5.7歳(範囲:2.8~11.2歳)の小児患者38例において、MPDはWAPPS-Hemoと比較して半減期(T)および曲線下面積(AUC)に優れた値を示した一方、クリアランス(CL)および定常状態分布容積(VSS)は減少した。WAPPS-Hemoは48時間後(28.84%)および72時間後(50.19%)のFVIII活性の予測でより多くの間違いを犯したが、MPDによる予測ではわずか12.45%と47.44%であった。統計解析の結果、1IU/dLと3IU/dLにおける個々の投与量に関して、2つの手法の間に有意差があることが示された。[1IU/dL:WAPPS-Hemo12.1(9.3、17.1)対MPD7.3(5.5、9.9)、P<0.001;3IU/dL:WAPPS-Hemo36.3(27.8、51.3)対MPD21.9(16.4、30.0)、P<0.001)。
結論:条件に合わせて調整されたMPDのような小児popPKモデルは、実環境における中国の小児のPK特性および代謝状態をより正確に表現することができ、血友病患者の臨床ケアにおけるその有用性の可能性を強調するものである。
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