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SARS-CoV-2中和抗体の特異性は、最近感染した乳幼児と免疫刷り込み個体で劇的に異なる。

DOI:10.1128/jvi.00109-25

アブストラクト

ウイルス感染に対する免疫応答は、過去に関連ウイルス株に暴露されたことによって形成される。重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の場合、集団の多くが、ワクチン接種またはCOVID-19パンデミックの初期段階での感染によって、初期の株からのウイルススパイクによって刷り込まれている。この刷り込みの結果、最近のSARS-CoV-2株に感染すると、主に刷り込み株によって誘発された交差反応性抗体が増強される。ここでは、インプリンティングを受けた個体と最近の株に感染した乳児の中和抗体特異性を比較した。具体的には、擬似ウイルスに基づく深層変異スキャンを用いて、スパイク変異が、オリジナルワクチンによって刷り込まれた成人および小児と、XBB*変異株によって一次感染した乳幼児の血清抗体による中和にどのような影響を及ぼすかを測定した。インプリンティングを受けた人の血清中和活性は主にスパイクの受容体結合ドメイン(RBD)を標的とするのに対し、XBB*のみに感染した乳児の血清中和活性は主にスパイクのN末端ドメインを標的とした。これらの乳幼児では、ワクチン接種によるXBB*スパイクへの二次曝露により、中和活性はよりRBDにシフトするが、標的となる特定のRBD部位はインプリンティングされた成人とは異なる。重要我々は、異なるSARS-CoV-2株への曝露歴が、中和抗体が標的とするウイルススパイク上の領域に強く影響することを示している。特に、最近のウイルス株に1度感染しただけの乳児は、古い株と最近の株の両方に感染したことのある成人や小児とは異なるウイルススパイクの領域を標的とする中和抗体を作る。このような個人間の不均質性は、同じウイルス変異が異なる人々の抗体免疫に異なる影響を与える可能性があることを意味する。

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