デンマークにおける予防接種率と接種率に対する小児予防接種リマインダーシステムの効果:登録ベースのコホート研究。
DOI:10.1016/j.vaccine.2025.126934
アブストラクト
背景:2019年8月、デンマークは積極的な小児予防接種リマインダーシステムを導入した。本研究の目的は、この予防接種リマインダーシステムの導入が、3カ月、5カ月、12カ月に推奨される破傷風、ジフテリア、百日咳、ポリオ、インフルエンザ菌b型(Hib)感染症予防接種(DTaP-IPV/Hib)、および15カ月に推奨されるおたふくかぜ、麻疹、風疹予防接種(MMR1)の小児期の最初の4つの予防接種の接種率および摂取率に及ぼす影響を評価することである。
方法:2018年1月生まれ(=対照群)と2022年1月生まれ(=介入群)の2つの出生コホートを対象としたレトロスペクティブな登録ベースのコホート研究である。デンマークに居住し、全調査期間中に生存していたすべての小児を対象とした。子どもたちは、各予定接種の2週間前から6週間後まで追跡調査された。したがって、研究期間の終了は16.5ヵ月であった。ワクチン接種状況の差は、定期接種の6週間後に検証された。ワクチン接種までの日数の中央値を算出し、2つのコホート間で比較した。Kaplan Meier曲線とlogrank検定を用いて、2つのコホート間のワクチン接種率を経時的に比較した。ロジスティック回帰分析により、予定接種から6週間後のワクチン接種率における試験群間の差を検定した。別の出生コホートを用いて感度分析を行った。
結果:予定接種から6週間後の接種率は、5ヵ月目に接種した2回目のジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオ・ヒブワクチン(DTaP-IPV/Hib2)を除くすべての予防接種において、介入コホートの小児の方が高かった。介入コホートでは、ワクチン未接種の小児が少なく(3.4%対1.3%3%;p<0.001)、研究期間終了時に3回すべてのDTaP-IPV/Hibワクチン接種を受けた小児が多かった(88.3%対79.0%;p<0.001)。介入群の小児は、DTaP-IPV/Hib2を除くすべての予防接種について、予定接種から6週間後に接種を受けている割合が対照群と比較して有意に高かった。
結論:本研究により、予防接種リマインダー制度の下で接種を受けた小児は、リマインダー制度導入前に接種を受けた小児と比較して、小児期に調査された4つの予防接種のうち3つの予防接種の接種率が高く、予防接種を受けるのがやや早かったことが示された。
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