WHIM症候群の皮膚症状。
DOI:10.1111/1346-8138.17733
アブストラクト
いぼ・低ガンマグロブリン血症・感染症・骨髄異形成(WHIM)症候群は、ケモカイン受容体CXCR4の機能獲得型変異によって引き起こされるまれな免疫不全症である。ヒトパピローマウイルス(HPV)皮膚感染(イボ)が本疾患の皮膚学的特徴であるが、WHIM患者では、早期診断と管理に役立つ可能性のある他の皮膚症状が高率に認められる。本研究は、2005年から2024年の間に受診したWHIM症候群患者の米国国立衛生研究所自然史コホートの医療記録のレトロスペクティブレビューであり、皮膚症状およびCXCR4変異体の横断的解析を含んでいる。このコホートは、遺伝学的にWHIM症候群と確認された45人の患者(男性16人、女性29人)を対象としており、平均年齢は33.3歳(範囲:0~69歳)、診断時の平均年齢は20.4歳(範囲:0~59歳)であった。このコホートでは様々な皮膚症状が認められ、HPVによる皮膚感染が34人(76%)、細菌が32人(71%)、その他のウイルスが27人(60%)、真菌が25人(56%)であった。炎症性疾患としては、脂漏性皮膚炎が6例(13%)、接触性皮膚炎が5例(11%)、乾癬が4例(9%)、貨幣状湿疹が3例(7%)、その他の湿疹性皮膚炎が13例(29%)であった。年齢中央値が若いにもかかわらず、7人(16%)の患者が皮膚癌を有していた。7人の患者全員がCXCR4切断変異を有していたが、ミスセンス変異(E343K)を有する患者は一般的に皮膚症状が少なかった。我々の研究から、WHIM症候群はHPV皮膚感染以外にも多様な感染性、炎症性、腫瘍性の皮膚疾患と関連していることがわかった。
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