米国における商業保険加入者とメディケイド保険加入者の生後2年間における診断された先天性サイトメガロウイルス感染症の疫学と経済的負担。
DOI:10.1016/j.clinthera.2025.03.006
アブストラクト
目的:先天性サイトメガロウイルス(cCMV)は、先天性奇形の原因となる感染症の主要な要因です。cCMVに感染して生まれた乳児の約20%から25%が、感覚神経性難聴、発達障害、小頭症などの長期的な健康合併症を発症しますが、cCMVの疾病負担に関する研究は限定的です。本研究では、保険請求データを用いて、米国における臨床的に診断されたcCMVの疫学、経済的負担、および疾患負担を評価しました。方法:本後ろ向き研究では、2010年から2019年のMerative MarketScan Commercial Claims and EncountersおよびMulti-State Medicaidデータを使用しました。出生時の臨床的に診断されたcCMVの年間有病率は、各保険者集団ごとに別々に推定されました。経済的負担を評価するため、出生後1ヶ月以内に最初のcCMV診断(基準日)を受けた乳児をcCMVコホートに含め、出生後1ヶ月以内の医療請求データからランダムに選択された基準日を持つcCMV感染のない乳児とマッチングしました。コホートは、人口統計、保険種類、出生年、基準年に基づいて1:1でマッチングされました。すべての乳児は、基準日から2年間連続して処方薬保険に加入していることが要件でした。2021年米ドル($)で表された医療資源の使用量とコストは、研究期間の最初の2年間について別々に要約されました。出生時の入院コストも記述されました。
結果:出生時における臨床的に診断されたcCMVの有病率は、2018年に商業保険加入者で18.43、メディケイド加入者で34.37(10万人あたり)とピークに達しました。経済的負担分析には、商業保険加入者118例(基準日時点の平均年齢0.3ヶ月、女性46.6%)とメディケイド加入者351例の対応ペア(基準日時点の平均年齢0.2ヶ月、女性43.6%)が含まれました。臨床的に診断されたcCMVを有する商業保険加入者とメディケイド加入者の新生児の平均(中央値)出生入院費用は、それぞれ$195,630($22,896;対$24,195 [$3,105])と$57,182($9,807;対$5,732 [$1,566])でした。さらに、cCMVによる1年目と2年目の追加費用は、民間保険加入者で$9,427($5,089)と$15,901($1,573)、メディケイド保険加入者で$11,104($1,446)と$12,205($721)でした。cCMVの潜在的な後遺症において、cCMVコホートの乳児は、生後2年間で聴力障害と発達/運動遅延の発生率がより高かったです。
示唆:出生時のcCMVの診断有病率は、2010年から2018年にかけて増加しました。臨床的に診断されたcCMVを有する乳児は、出生時の入院費用が高く、生後2年間で大きな疾患負担を負っています。これらの結果は、ワクチン接種などの一次予防策を導入し、cCMVの負担を軽減する必要性を強調しています。
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