スルファサラジンを用いた維持療法と5-アミノサリチル酸塩との比較における小児の潰瘍性大腸炎の臨床的転帰。
DOI:10.1002/jpn3.70041
アブストラクト
目的:スルファサラジン(SZ)と5-アミノサリチル酸(5-ASA)は、潰瘍性大腸炎(UC)の治療に広く使用されてきました。一部の研究ではSZが優れている可能性が示唆されていますが、小児における両者の比較データは限られています。本研究の目的は、小児における両者の比較的安全性と有効性の実世界データを描き、治療強化前にSZと5-ASAの間での切り替えの影響を評価することです。
方法:ボストン・チルドレンズ病院で1999年6月から2019年12月にUCと診断された小児の電子医療記録を後方視的に検討しました。SZまたは5-ASAを第一選択維持療法として投与された患者の1年後のアウトカムと長期アウトカムを記述しました。
結果:433例(0~19歳)のうち、124例がSZを、309例が5-ASAを初回維持療法として開始しました。48例が最初の1年間で両薬剤を切り替え、長期フォローアップ中に74例が切り替えました。SZから5-ASAへの切り替えの主な理由は副作用でした。1年後、SZ、5-ASA、および切り替え群の患者において、ステロイド非使用寛解率はそれぞれ54%、44.3%、36.6%でした(p=0.13)。有効性不足または副作用を理由に切り替えを行った患者は、医療上の理由以外で切り替えを行った患者に比べて治療強化のリスクが4倍高かったです。診断時に小児潰瘍性大腸炎活動性指数(Pediatric Ulcerative Colitis Activity Index)が65を超える患者は、治療強化を要する可能性が高い(p=0.0043)。結論:SZと5-ASAは、軽度から中等度の小児潰瘍性大腸炎に対する有効な第一選択治療法です。SZは軽度の副作用が多い傾向にあります。SZと5-ASAの切り替えは治療上の利益をもたらさず、診断時の疾患重症度が早期の治療強化を予測します。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。