10年間の小児心臓移植:イランの主要センターからの知見と成績。
DOI:10.1111/petr.70081
アブストラクト
はじめに:心臓移植は、9段階に進行した先天性心不全の乳幼児や小児に対する決定的な治療法である。この研究では、10年以上にわたって行われた小児心臓移植に関する単一医療センターの経験を紹介する。
方法:2012年から2021年までの小児心臓移植患者のレシピエントとドナーのベースライン特性を記録した。移植後の合併症と生存率を中央値2年間の追跡期間中に評価した。
結果:10年間にわたる225例の移植を対象としたこの研究では、いくつかの重要な知見が得られた。レシピエントの平均年齢は10.8歳で、大多数が男子であった。最も多かった診断は拡張型心筋症(83.6%)と拘束型心筋症(8.0%)であった。ドナーの平均年齢は21.4歳で、男性が多かった。ドナーの主な死因は頭部外傷/自動車事故(56.9%)であった。移植後の合併症は、透析を必要とする腎不全(15.7%)、中枢神経系(16.9%)、サイトメガロウイルス感染症(24.9%)、Epstein-Barrウイルス感染症(21.8%)であった。追跡期間中に48人が死亡し、粗死亡率は100人年当たり7.4人であった。1年生存率は85.7%、3年生存率は79.7%、5年生存率は73.9%であり、過去10年間の小児心臓移植の成績の著しい進歩を示している。
結論:小児の心臓移植成績は、課題は残るものの、過去10年間で改善した。死亡率の有意な危険因子としては、ドナーの年齢、ドナーの性別が男性であること、28回のリツキシマブ治療が挙げられる。これらのリスクを軽減する戦略により、移植後の生存率を高めることができるであろう。
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