乳児における気管支炎の重症度スコアの感度と特異度の比較:系統的レビューとメタ分析。
DOI:10.1016/j.rmed.2025.108111
アブストラクト
背景:呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、24ヶ月未満の乳幼児における急性呼吸器疾患による入院の最も一般的な原因です。疾患の重症度を評価するための複数の臨床スコアが提案されています。
目的: 本研究の目的は、2歳未満の小児における気管支炎の重症度を評価する臨床スコアの感度と特異性を比較することです。方法: PubMed、Scopus、Web of Scienceデータベースを検索し、2024年12月31日までに発表された気管支炎の重症度スコアを使用し、感度と特異性のデータを報告した研究を同定しました。
結果: 選択プロセス終了時、13の臨床重症度スコアを評価した18の研究が分析されました。気管支炎と診断された6,552人の小児(加重平均年齢5.1ヶ月、範囲0~24ヶ月)が対象となりました。要約ROC分析の結果、GRSS(Global Respiratory Severity Scale)は他のスコアよりも重症疾患リスクのある小児を区別する能力が優れていました。特に、GRSSは累積感度と特異度それぞれ0.87(95%CI:0.80-0.92)と0.92(95%CI:0.88-0.95)を示し、高い精度(0.90)を示しました。
制限事項:本解析は、特異度と感度値を報告した研究に限定したため、他の検証済みスコアが除外された可能性があります。ただし、可能な限り同質性の高い集団を含むバランスの取れた解析を行うことを目的としました。
結論:GRSSスコアは、2歳未満の乳児および小児の気管支炎の重症度を臨床的に評価する際に、感度と特異性が優れているという限定的ながら中等度から十分な証拠があります。ただし、これらの結果を検証するためには、より大規模なデータセットを使用した追加の研究が必要です。
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