セピアプテリンはフェニルケトン尿症の治療に用いられます。
DOI:10.1080/14656566.2025.2498477
アブストラクト
導入: フェニルケトン尿症(PKU)は、フェニルアラニン(Phe)代謝の先天性異常であり、フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)の欠乏により引き起こされます。治療が行われない場合、PKUは重度で不可逆的な知的障害を引き起こす可能性があります。ガイドラインでは、生涯にわたるPheレベルの低減が推奨されており、通常は厳格な低タンパク質食により達成され、場合によっては薬剤が使用されます。
対象領域: 本稿では、Phe代謝におけるPAHの必須補因子であるテトラヒドロビオプテリン(BH)の役割について議論し、セピアプテリンの薬理動態、薬物動態、代謝について説明するとともに、PKUを有する小児および成人におけるその有効性と安全性に関する報告をまとめます。
専門家意見:BHの天然前駆体の経口合成形態であるセピアプテリンは、一部のPKU患者においてHPAを減少させます。比較的短期の試験において、セピアプテリンは安全で忍容性が良好であり、BHアナログのサプロプテリン二水和物と同様に、反応を示す個人において血中フェニルアラニン濃度を減少させる効果が示されています。セピアプテリンを投与した第III相APHENITY試験で観察された血中フェニルアラニン濃度の低下は、より多くのPKU患者がフェニルアラニン治療目標を達成するか、または過酷な食事制限を緩和する可能性を秘めています。PKU患者における長期試験の結果、神経認知機能や機能的アウトカム、栄養状態、生活の質に関するデータが待たれています。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。