2022年10月~2023年4月、英国ロンドンにおける環境中のポリオウイルス検出後の地域サーベイランス。
DOI:10.2807/1560-7917.ES.2025.30.16.2500025
アブストラクト
背景ワクチン由来ポリオウイルス(VDPV)は国際的に循環し続けており、ポリオフリーと認定された国々で散発的な症例や麻痺性ポリオの発生を引き起こしている。2022年、ロンドンから採取された環境監視サンプルから2型VDPVが持続的に検出されたことが報告された。病原性の減弱が消失したことを示す遺伝子変異が観察され、数か月にわたる地域伝播事象と一致した。方法2022年10月から2023年4月にかけて、環境サーベイランスで持続的なVDPV伝播が示された地域で、日和見的な横断調査を実施した。一次医療機関または二次医療機関を受診した16歳未満の小児から採取した残便サンプルについて、ポリオウイルスを含むエンテロウイルスの検査を行った。世界保健機関が推奨するポリオウイルス検出方法(細胞培養でのウイルス分離、PCR、分子特性解析など)を、リアルタイム臨床報告とともに毎日残便物質に適用した。A群、B群、C群のさまざまなエンテロウイルスが検出されたが、ポリオウイルスは検出されなかった。結論環境ポリオウイルス分離地域では、ポリオウイルスは蔓延していなかった。医療を受けようとする小児から採取された残便検体に対する機会的ポリオウイルス検査は可能であり、ポリオウイルスの循環が疑われる地域で迅速に実施することができる。
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