血友病を有する小児および思春期における薬物療法の遵守に関する臨床的特徴と社会文化的要因の評価。
DOI:10.1002/pbc.31712
アブストラクト
導入:社会環境要因(SDOHを含む)は、血友病などの慢性血液疾患の健康アウトカムと臨床経過に影響を及ぼします。静脈内凝固因子濃縮製剤または皮下投与型第VIII因子模倣薬による継続的な予防療法は、出血を減少させ、生活の質を改善します。しかし、予防療法の遵守は困難です。
目的:血友病を有する小児および思春期における予防療法の遵守に、臨床的および社会環境要因(SDOHを含む)が与える影響を調査すること。方法:本横断研究では、2018年から2023年にかけて、保護者および思春期患者を登録しました。予防療法の遵守率は、Hemophilia Regimen Treatment Adherence Scale-Prophylaxis(HRT-P)を用いて、全体的な遵守率および「時間」「用量」「計画」「記憶」「欠損」「コミュニケーション」のサブスケールで測定されました。社会環境要因は、自己報告式の検証済みアンケートで評価されました。線形回帰分析を実施しました。
結果: 41人の親参加者のうち、56%がヒスパニック系でした。ヒスパニック系と非ヒスパニック系の親の間で遵守スコアに差はありませんでした(p = 0.97)。子どもの年齢が高い(p = 0.002)、末梢静脈投与による予防療法(中央静脈ラインと比較、p = 0.004)、医療コミュニケーションにスペイン語を使用(英語と比較、p = 0.002)は、遵守率が低いことと関連していました。医療提供者への信頼が高いことは、遵守率が高いことと関連していました(p = 0.051)。
結論: 当研究の結果は、遵守率の向上を目的とした個別化された介入策の策定に役立つ可能性があります。具体的には、自立したケアを開始する年齢層(小児から思春期)への対象絞り込み、言語一致型の教育、および医療提供者への信頼を強化するための社会的支援の改善策などが挙げられます。
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