小児アトピー性皮膚炎の有病率と危険因子の時間的変化:ドイツの2つの出生コホート研究の結果。
DOI:10.1111/cea.70066
アブストラクト
背景:アトピー性皮膚炎(AD)は、一般的なアレルギー性皮膚疾患です。本研究では、10年間にわたる小児期ADの累積発症率とその危険因子の経年変化を評価することを目的としました。
方法:ドイツのウルムで実施された方法論的に類似した2つのコホート研究のデータを使用しました。ウルム出生コホート研究(UBCS、2000/2001年に募集)とウルムSPATZ健康研究(2012/2013年に募集)です。4歳までの年齢における医師と親が報告したADの累積発症率は、交絡因子を調整するために傾向スコアに基づく加重を適用し、2つのコホート間でログランク検定で比較しました。医師と親が報告したADの発症に関連する要因のハザード比と95%信頼区間(CI)を推定するため、多変量コックス回帰モデルを適合させ、2つのコホート間の結果を比較しました。
結果:4歳までの医師報告によるADの累積発生率(95%信頼区間)は、UBCS [2000/2001] で27.4%(24.4%-30.5%)、SPATZ [2012/2013] で26.4%(22.8%-30.2%)、p = 0.728) と親報告によるAD(UBCS [2000/2001] で14.5%(12.2%-17.0%)、SPATZ [2012/2013] で16.7%(14.0%-19.7%)、p = 0.211)は、傾向スコアに基づく加重後、両コホート間で安定していました。ADと特定のリスク因子(例:ADの家族歴、乳児期の抗生物質使用)との関連性の変化を10年間で観察しましたが、サンプルサイズの小ささ、比較的高い脱落率、および2つのコホート間の人口統計学的差異のため、結果は慎重に解釈する必要があります。
結論:10年間で小児ADの発生率は安定していました。環境要因や微生物叢関連要因がADの発症に時間経過とともに重要な役割を果たすかどうかを検証するため、さらなる研究が必要です。
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