新生児胆汁うっ滞:遺伝的要因の解明と臨床的転帰の検討。
DOI:10.1111/jpc.70072
アブストラクト
導入:新生児胆汁うっ滞症は、新生児および乳児において結合型ビリルビン血症を特徴とする疾患群です。遺伝学的検査の進歩により、特定の病因の同定が容易になりました。本研究では、新生児胆汁うっ滞症患児の遺伝的および臨床的特徴を、遺伝子型と表現型の相関関係および診断結果に焦点を当てて検討しました。
方法:1997年から2024年までに治療を受けた新生児胆汁うっ滞症の患者を対象とした後方視的検討を実施しました。肝外要因は除外し、胆汁うっ滞症特異的遺伝子パネルと全エクソームシーケンス(WES)を含む遺伝学的検査を実施しました。臨床的および生化学的データ(ガンマ-グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)値を含む)を収集しました。
結果:378例中28.0%で遺伝性疾患が同定され、ATP8B1、ABCB11、ABCB4、DCDC2、DGUOK、KIF12、USP53、および胆汁酸合成関連遺伝子(HSD3B7、PEX1)の変異が確認されました。GGT値は診断に重要な役割を果たしました:低値または正常値のGGTを有する患者は、進行性家族性肝内胆汁うっ滞(PFIC)1型および2型、または胆汁酸合成障害と診断されることが多く、高値のGGTはPFIC3、アルファ-1アンチトリプシン欠乏症、および嚢胞性線維症と関連していました。遺伝的診断を受けた症例の56.0%に近親婚が認められました。2010年以降、患者全体の35.5%が遺伝的診断を受けましたが、2010年以前は18.2%でした。
結論:遺伝性疾患は新生児胆汁うっ滞の主要な原因であり、GGT値は亜型の鑑別診断に有用な指標です。遺伝学的検査の普及により、早期診断と個人に合わせた管理が改善されています。臨床現場での遺伝学的検査の拡大は、これらの希少疾患の適切な診断に不可欠です。
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