ウェスト症候群を有する小児における海馬と帯状回における体積的および微細構造の変化。
DOI:10.1016/j.braindev.2025.104365
アブストラクト
目的:本研究では、ウェスト症候群(WS)患者における海馬の構造的変化を自動セグメンテーション技術を用いて解析し、海馬の解剖学的構造と機能の評価を目的とした。
方法:本研究には、0~4歳のWS患者24例と健康対照群24例(合計48例)が対象となりました。自動セグメンテーション手法を用いて海馬の体積を測定し、拡散テンソル画像(DTI)パラメータ(分画異方性(FA)および平均拡散係数(MD))を評価しました。多重比較にはボンフェローニ補正を適用し、調整後有意水準をp < 0.0033に設定しました。
結果:WS患者は、健康対照群と比較して、海馬の総体積およびCA2-CA3、CA4-海馬歯状回(CA4-DG)、SR-SL-SM領域の体積が有意に減少していました(padj <0.0033)。補正後、CA1および亜海馬領域では有意な差は認められませんでした(padj >0.0033)。進行中のWSと発作コントロールされたWSの初期比較では、発作コントロールされた群で海馬の複数の領域で体積増加が示唆されましたが、調整後には有意差は残らず、慎重に解釈する必要があります。特に、発作コントロールされたWS患者は、海馬体積の増加、FAの増加、MDの低下を示し、発作活動と構造的変化の関連性を示唆しています。さらに、 cingulum の DTI 解析では、WS 患者において FA が低く、MD 値が高いことが示され、微小構造の整合性が損なわれている可能性が示唆されました。結論:これらの結果は、海馬の構造的変化が WS の病態生理学における潜在的な役割を強調し、DTI パラメーターが疾患の進行や治療反応のモニタリングに有用な指標となる可能性を示唆しています。
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