小児の潰瘍性大腸炎患者において、生物学的製剤および低分子化合物治療に対する腸管超音波検査の早期反応は、内視鏡的治療成績の予測に正確である。
DOI:10.1093/ecco-jcc/jjaf075
アブストラクト
背景と目的:Stride-IIでは、潰瘍性大腸炎(UC)の内視鏡的寛解(Treat-to-Target:T2T)を達成するために、早期のバイオマーカー標的をモニタリングすることを推奨している。腸管超音波検査(IUS)のER予測能は未知のままである。われわれは、小児の潰瘍性大腸炎患者において、ERを予測するためのIUS反応を評価した。
方法:IUS(Milan Ultrasound Criteria [MUC]、Civitelli Ulcerative Colitis Index、International Bowel Ultrasound Group Segmental Activity Scoreを含む)、便中カルプロテクチン(FC)、C反応性蛋白(CRP)、小児潰瘍性大腸炎活動性指標をベースライン時、8週目、T2T目に実施した、進行治療を開始した小児潰瘍性大腸炎(Mayo endoscopic score [MES≧2])の前向き縦断コホート研究。主要アウトカムは、ベースラインから8週目までの腸管壁厚(BWT)の変化、および8週目のBWTの絶対値に関するT2T ER(MES=0)の予測精度であった。前方選択を用いたロジスティック回帰により、内視鏡的転帰の最適予測モデルが決定された。
結果:42例の小児のうち、21例(50%)がERを達成した。8週目のBWT≦2.7mm(OR 6.4[95%CI、1.8-27.0]、P = 0.007)、MUC<6.0(OR 5.7[95%CI、1.5-25.3]、P = 0.015)、およびFC≦177(OR 4.5[95%CI、1.1-23.6]、P = 0.049)がERと関連していた。
結論:非侵襲的バイオマーカーであるBWT、IUS上のMUC、およびFCを組み合わせることは、内視鏡的転帰を予測できる、小児UCにおける実行可能な厳格管理モニタリング戦略である。IUSとFCのモニタリング戦略がUCの小児の転帰をどのように改善するかを理解するためには、より大規模な多施設での検証研究が必要である。
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