網膜芽細胞腫の遺伝学を掘り下げる:新規変異の発見とその臨床的影響:レトロスペクティブ・コホート研究。
DOI:10.1002/cam4.70922
アブストラクト
背景:網膜芽細胞腫(Rb)は、5歳未満の小児の網膜に発生するまれな眼内悪性腫瘍である。網膜芽細胞腫と診断された小児の約3分の1は、RB1対立遺伝子のいずれかに生殖細胞系列変異が認められる。本研究では、サンガー配列決定と多重ライゲーション依存性プローブ増幅法(MLPA)を併用して、網膜芽細胞腫患者におけるRB1変異を同定することを目的とする。
方法:167人のRb患者のゲノムDNAを末梢血から単離し、カルテから臨床情報を抽出した。RB1遺伝子の変異はPCRシークエンシングにより同定した。PCRシークエンシングの陰性結果は、MLPA反応を用いてさらに解析された。
結果:167例中56例(33.5%)でRB1遺伝子変異が同定された。一般的な変異型はフレームシフト変異(n=19)、次いでナンセンス(n=20)、スプライシング(n=8)、ミスセンス(n=5)、全エクソン欠失(n=2)であった。全生存率は98.2%で、平均追跡期間は59ヵ月であった。さらに、生殖細胞系列RB1突然変異と核出術率との相関は、両側性症例(65.5%)に比べて片側性症例(12.1%)では顕著ではなかった。合計13の新規変異が同定され、そのうち4つは特に核出術と関連している。
結論:本研究は、Rb症例群におけるRB1生殖細胞系列変異の包括的解析を提供し、イランの紹介センターにおけるRb患者における13の新規変異の同定につながった。本研究で得られた知見は、Rb患者およびリスクの高いその親族の管理および遺伝カウンセリングに役立つ貴重な知見をもたらすものと期待される。
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