先天性CMV感染症を有する小児におけるサイトメガロウイルス唾液排泄動態。
DOI:10.1093/jpids/piaf040
アブストラクト
背景:先天性CMV(cCMV)は世界中で最も一般的な先天性ウイルス感染症であり、小児の非遺伝性感覚神経性難聴(SNHL)の最も一般的な原因です。cCMVを有する小児におけるCMVの検出動態(排出)は、新生児CMVスクリーニングとフォローアッププロトコルの体系的な欠如のため、十分に記述されていません。本研究の目的は、普遍的新生児スクリーニングにより同定されたcCMVコホートにおける唾液CMV排出の自然歴を記述することです。方法:CMVと聴覚多施設スクリーニング研究(CHIMES)の一環として、100,332人の新生児がスクリーニングされ、cCMVと診断された対象者は、4年間にわたり6ヶ月ごとに前向きに追跡され、聴覚アウトカムを評価しました。唾液CMV DNA排出の動態(持続期間、ウイルス量(VL)、間欠的排出)を、新生児期症状の有無および聴力障害の有無別に、5回以上の受診歴のある小児群間で比較しました。結果:確認されたcCMV陽性小児197例では、唾液中CMV DNAが中央値20ヶ月間排出され、CMV排出頻度はcCMV確認時100%から4年後には9.5%に減少しました。同様に、CMV DNAのVLレベルの中央値は、確認時訪問時の8.89 × 10⁶ IU/mLから、4年後の追跡訪問時で1.64 × 10³ IU/mLに減少しました。唾液中のCMV排出期間は、新生児症状の有無(両群とも中央値20ヶ月;P=0.57)またはSNHLと正常聴力の間(P=0.8)で類似していました。コホートの3分の1(64/197、32.5%)は唾液中でCMV DNAを間欠的に排出しました。
結論:普遍的新生児CMVスクリーニングで同定されたcCMV陽性小児の大規模コホートにおいて、新生児症状の有無や聴覚予後に関わらず、唾液中のCMV DNAは中央値20ヶ月間検出可能でした。コホートの3分の1で断続的な排出が認められました。
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