血清FGF19とGGTおよび他のバイオマーカーの組み合わせは、早期胆道閉鎖症におけるカサイ胆道吻合術後の肝臓の自然生存を予測しました。
DOI:10.1007/s00535-025-02234-y
アブストラクト
背景: カサワキ手術(KPE)施行前の胆道閉鎖症(BA)の予後を正確に予測することは、依然として課題です。KPEではなく一次肝移植(pLT)が適応となる特定のBA患者群を同定することは、未だ明確になっていません。
方法: BA患者196例と年齢一致の非BA胆汁うっ滞患者31例を登録しました。BA患者は、トレーニング群(2018年2月~2019年2月)とバリデーション群(2019年3月~2021年12月)に分けられました。C-indexを用いて指標とモデルの有用性を評価しました。
結果:BA患者では血清線維芽細胞増殖因子19(FGF19)が有意に上昇していました[95.67(58.97-140.6)対58.73(43.59-85.35)pg/ml、P=0.0003]。FGF19、GGT、DBIL、およびALBを用いて構築されたノモグラムAは、トレーニングコホート(0.767±0.039)およびバリデーションコホート(0.721±0.062)において最適なC-指数を示し、KPE後の1年NLS予測において理想的な一貫性を示しました。また、KPE時の年齢が60日以下のBA患者における臨床的有用性の可能性も示されました。ノモグラムAで開発されたリスクスコア(RS)を活用することで、術前RS>1.36のBA患者においてKPE後の2年NLSの有意な減少が示され、術前RS>2.6の患者はpLTの潜在的適応候補であることが明らかになりました[KPE後の2年NLS:0%(トレーニングコホート)、21.4%(バリデーションコホート);特異度=100%および感度=22.2%]。結論:ノモグラムAは、早期BAにおける術前NLS予測に有意な有効性を示しました。KPE時の年齢が60日以下のBA患者でRS>2.6の患者は、pLTから潜在的な利益を受ける可能性があります。
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