乳児の呼吸器合胞体ウイルス(RSV)ワクチン接種率:ワクチン安全性データリンク(2023-2024年)
DOI:10.1542/peds.2024-070240
アブストラクト
背景と目的:2023年、予防接種実践諮問委員会は、妊娠中に接種されるワクチンであるAbrysvoまたは出生後に乳児に投与されるモノクローナル抗体であるnirsevimabを、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)から乳児を保護するため推奨しました。当研究の目的は、妊娠-乳児ペアのリンクデータを用いて、RSVに対する予防接種またはnirsevimabの投与によりRSVから免疫化された乳児の割合を評価することです。
方法:10のワクチン安全性データリンク(VSD)参加医療システムと検証済みのアルゴリズムを使用し、2023年9月22日から2024年3月31日までの期間に、妊娠週数32週以上で出生した生児を出産した12歳から55歳の女性を特定しました。RSVワクチン接種は、電子健康記録と予防接種情報システム(登録データ)を補足して特定しました。対象妊娠から生まれた乳児において、2024年3月31日までにニルセビマブが投与された乳児を特定しました。乳児のRSV予防接種(妊娠中のRSVワクチン接種またはニルセビマブ投与)を、人種・民族、年齢、出生月別に層別化して評価しました。結果:43,722件の妊娠から36,949件の乳児が対象に含められました。全体で、乳児の72%がRSVに対して免疫化されていました。推定値は、非ヒスパニック系アジア人母親から生まれた乳児で最も高く(84%)。人種別には、非ヒスパニック系黒人または非ヒスパニック系中東・北アフリカ人母親から生まれた乳児で60%のカバー率でした。出生月別では59%から78%で、ニルセビマブは季節の早い時期に生まれた乳児に多く投与されていました。
結論:この乳児集団では、72%がRSVワクチン接種を受けていました。全体的な接種率は高いものの、人種や民族による接種率の格差は改善が必要な課題です。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。