肝移植後1年以内の小児患者における救急外来受診の特徴:3次医療施設における10年間の経験。
DOI:10.1186/s12873-025-01231-x
アブストラクト
背景:肝移植は術後に大きな問題を伴う複雑な手術である。小児科のような脆弱な集団における移植後の救急外来(ED)受診の頻度と時期をモニタリングすることは、患者の転帰と術後ケアの有効性に関する重要な洞察を提供する。
目的:本研究の目的は、肝移植レシピエントが移植後退院後1年以内に救急外来を受診した際の適応、頻度、理由、入院期間を評価することである。
方法:361人の肝移植レシピエントを対象に、10年間にわたる退院後のED受診の頻度、時期、適応、理由、滞在期間を分析するレトロスペクティブ観察研究を実施した。
結果:本研究では361人の患者を対象とし、合計1300回の救急外来受診を分析した。(患者の52%が男性、48%が女性であった。ほとんどの移植は生体ドナーからのものであった(93%、N = 338)。少なくとも1つの合併症を有する患者は全体の35%を占め、高血圧6%(20人)、先天性心疾患5%(N=18人)、発作性疾患4%(N=15人)が最も多い合併症であった。肝移植の最も一般的な適応は、胆道閉鎖症(21%)と進行性肝内胆汁うっ滞(20%)であった。EDを受診した理由で最も多かったのは、消化器症状(32%)、肺症状(22%)、感染症状(16%)であった。患者の平均入院期間は4±10.7日であった。最初の6ヵ月以内の受診が最初の1年間の総受診の58%を占め、初診と再診が救急外来受診の47%を占めた。
結論:本研究は、小児サブグループにおける救急外来受診頻度の高さ、およびフォローアップのための重要な期間である最初の6ヵ月を強調した。本研究はまた、救急外来への継続的な受診を示し、より綿密なフォローアップと再受診を予防するための介入が必要であることを示した。
臨床試験番号:該当なし。
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