2024年のLDHSデータを用いたレソトの12~23カ月児におけるポリオワクチン接種と限界効果:マルチレベル分析アプローチ。
DOI:10.1371/journal.pone.0322731
アブストラクト
背景:数え切れないほどの新生児、小児、成人が罹患している感染症は、ポリオ・ワクチン接種によって防ぐことができる。WHOとレソトの保健戦略は、感染症の予防と制御の手段としてワクチン接種を強く重視している。今回の研究の目的は、生後12カ月から23カ月の小児におけるポリオワクチン接種状況の限界効果を示し、その決定要因を明らかにすることである。
方法:生後12~23ヵ月の子ども490人から収集したLDHSのデータを用いて、レソトにおけるポリオワクチン接種状況を評価した。ポリオワクチン接種の有病率は度数とパーセンテージで示した。クラスター間の子どものポリオワクチン接種状況の異質性は、ICC値とカイ二乗検定を用いて判定した。データはマルチレベル順序モデルを用いて分析し、モデルの選択はIC値に基づいて行った。
結果:本研究の記述的所見から、約29.6%の子どもがポリオの予防接種を受けていないことが明らかになった。有意なカイ二乗の結果(p値=0.033)に基づき、マルチレベル分析の使用が適切であると判断された。クラスターは、子どもたちのポリオワクチン接種状況の全体的な変動の約15.9%(ICC = 15.88)を占めていた。最終的に調整されたランダム・インターセプトPOモデルでは、子どものポリオ・ワクチン接種状況と、地区のタイプ、過去12ヵ月間の医療施設訪問回数、ANC訪問回数、出産場所、家族の人数などの要因との間に有意な関係(p値<0.05)が示された。これらの主要変数の限界効果も、ポリオ・ワクチン接種状況の各カテゴリーで有意であった。
結論:レソトだけでなく世界中で、ポリオワクチン接種は子どもの発育を促進する重要な保健対策である。今回の調査では、約29.6%の子どもが予防接種を受けていなかった。この割合は、地区や母親のANC受診回数によって異なる。子どもの健康のための治療や保護措置は、医療施設やサービスを充実させ、ANCを受診してケアを受けるよう促すことに、より重点を置くべきである。
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