サウジアラビア西部の大学病院における小児肝疾患の経験。
DOI:10.15537/smj.2025.46.5.20240854
アブストラクト
目的:小児肝疾患が示す多様なスペクトラムと病理組織学的パターンの有病率を説明し、予後予測における病理組織学的所見の役割を評価する。
方法:サウジアラビアのジェッダにあるKing Abdulaziz University Hospitalで肝疾患のため肝生検または肝切除を受けた小児患者158例(2014~2023年)を対象にレトロスペクティブ・コホート研究を実施した。人口統計学的データ、臨床データ、病理組織学的所見をカウントとパーセンテージを用いて分析した。
結果:患者の大多数は乳幼児(n=83;52.5%)で、男性優位(n=97;61.4%)であった。検体の種類は生検が最も多かった(n=137;86.7%)。胆汁うっ滞性/胆管障害が最も多い病理学的パターンであり(n=92;58.2%)、肝外胆道閉鎖症が最も多いサブタイプであった(n=32;34.8%)。炎症性/感染性疾患は13.3%(n=21)を占め、特に指定のない慢性活動性肝炎(n=10;47.6%)が最も多かった。代謝性疾患は症例の12.0%を占め、グリコーゲン貯蔵障害と非アルコール性脂肪性肝疾患がともに31.6%(n=6)であった。腫瘍性疾患は7.6%(n=12)に認められ、良性腫瘍と悪性腫瘍が均等に分布していた。
結論:本研究は、小児肝疾患における病理組織学的パターンの包括的な概観を提供し、胆汁うっ滞性疾患の優位性と早期診断の重要性を強調した。
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