胆汁うっ滞性黄疸を合併した新生児バセドウ病:症例報告。
DOI:10.1186/s12902-025-01938-9
アブストラクト
背景:新生児胆汁うっ滞性黄疸と肝酵素の上昇は、解剖学的異常、感染性異常、内分泌異常、代謝異常など、さまざまな病因から起こる可能性がある。甲状腺機能低下症とは異なり、甲状腺機能亢進症が新生児胆汁うっ滞と関連することはまれである。この研究では、胆汁うっ滞性黄疸を合併した新生児バセドウ病のユニークな症例を紹介し、診断、治療、管理における課題について論じる。
症例提示:妊娠中に甲状腺機能低下症の既往があり、それ以前は甲状腺疾患と診断されていなかった母親から、妊娠36.4週、出生体重2550gで経膣分娩により出生した生後30日の男児を報告する。乳児は、生後まもなく甲状腺機能亢進症の症状、体重増加不良、胆汁うっ滞性黄疸を発症した。新生児バセドウ病の診断を確定するために様々な検査が行われた。6週間のプロピルチオウラシルおよび肝保護胆汁分泌療法後、甲状腺-甲状腺ホルモン代謝は正常に戻り、胆汁うっ滞性黄疸は2ヵ月後に消失し、肝酵素は3ヵ月後に正常に戻った。また、経過観察中に体重と体長の伸びは正常範囲に戻った。
結論:新生児バセドウ病は胆汁うっ滞性黄疸を伴うことがあり、新生児に長期的な健康影響を及ぼす可能性がある。予後を改善するためには、早期診断と適切な治療が重要である。この症例は、妊婦の甲状腺機能障害とその新生児への潜在的影響についてモニターすることの重要性を強調している。
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