ラコサミドの薬物動態と日本におけるてんかん患者における薬物保持時間:年齢、併用薬、およびシトクロムP450 2C19多型の影響に関する後向き研究。
DOI:10.1097/FTD.0000000000001278
アブストラクト
背景: 本研究は、血清ラコサミド(LCM)濃度に影響を与える遺伝的および非遺伝的要因を同定し、シトクロムP450 2C19(CYP2C19)多型がLCMの長期維持率に与える影響を評価することを目的とした回顧的研究です。
方法: てんかん患者1,901名の血清サンプルを分析し、4つの年齢群(未就学児:1~5歳、小学校児童:6~11歳、思春期:12~17歳、成人:18歳以上)におけるLCMの濃度対用量(CD)比を比較しました。さらに、302例の患者においてリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるCYP2C19遺伝子型解析を実施し、以下の3群に分類した:広範代謝型(EM:CYP2C19*1/*1)、中間代謝型(IM:CYP2C19*1/*2または*1/*3)、および低代謝型(PM:CYP2C19*2/*2、*3/*3、または*2/*3)。Kaplan-Meier法を用いて、非PM群(EMとIM)とPM群のLCM保持率を比較しました。結果:成人群の平均CD比は最も高く、それぞれ幼児群、学童群、思春期群に比べて33.7%、21.9%、7.3%高かったです。酵素誘導性抗てんかん薬(ASMs;フェニトイン、フェノバルビタール、またはカルバマゼピン)の使用は、幼児で34.0%、小学校児童で27.3%、思春期で24.3%、成人で27.4%のCD比を低下させました。成人では、IM群とPM群の平均CD比率は、EM群に比べてそれぞれ17.7%と49.0%高かったです。LCMの3年継続率は、PM群よりも非PM群で高かったです(881日対728日;ログランク検定、P < 0.05)。
結論:年齢と酵素誘導性抗てんかん薬(ASMs)の併用は、LCMの薬物動態に影響を与える。さらに、PMフェノタイプを有する患者ではLCMのCD比が高く、これが治療維持率の低下を引き起こす可能性がある。LCMの治療薬物モニタリングは、個々の患者の薬物動態を評価し、LCMの用量を最適化する臨床的に有用な方法である。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。