先天性サイトメガロウイルス感染症を有する乳児におけるバルガンシクロビルの薬物動態学的および薬力学的評価。
DOI:10.1097/FTD.0000000000001257
アブストラクト
背景: バルガンシクロビル(VGCV)は、症状のある先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染症の治療に、6ヶ月間、1日2回、16 mg/kgの用量で投与されます。治療期間中、約20%の患者でグレード3以上の好中球減少症が発現しました。現在、VGCVの活性代謝物であるガンシクロビルの乳児における薬物動態学および薬力学に関する情報は限られています。本研究では、ガンシクロビル濃度と好中球減少症との関連性を調査し、症状のある先天性CMV感染症を有する乳児におけるガンシクロビルの集団薬物動態学(PPK)モデルを確立しました。
方法:2017年7月から2021年1月までに、症状のある先天性CMV感染症に対し経口VGCVが処方された日本の乳児を対象とした。観察された谷間ガンシクロビル濃度と好中球数との関連性を検討した。PPK解析を実施し、ガンシクロビルの薬物動態に影響を与える共変量を評価した。
結果:8例の患者から27のガンシクロビル血清サンプルを分析しました。観察された谷間ガンシクロビル濃度と好中球数との間に中等度の負の相関が観察されました。PPKモデル解析の結果、月経後年齢(PMA)は、体重の経験的アロメトリックスケーリングを補正した後、ガンシクロビルの全身クリアランスに影響を与えることが示されました。PMAと体重に基づいて、ガンシクロビルの濃度-時間曲線下面積(0~24時間)を40~60 mcg·h·mL⁻¹に達成するためのノモグラムが算出されました。
結論:乳児における好中球数とガンシクロビルの谷間濃度の関係が明らかにされました。PPKモデルは、PMAが低い患者では目標曝露を達成するためにVGCVの用量を減らす必要があると示しました。
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