ツイッター(X)で流布しているHPVワクチンの誤報のうち、保護者が最も関心を持つものの種類:横断調査と内容分析からの洞察。
DOI:10.2196/54657
アブストラクト
背景:ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンに関する情報源として、保護者はソーシャルメディアを頻繁に利用している。私たちの以前の研究では、ツイッター(現在はX)において、HPVワクチンに関するツイートの約25%に誤った情報が含まれており、これらのツイートは正確なツイートよりもオーディエンスのエンゲージメントが高いことが確認された。誤情報に触れることはワクチン接種へのためらいを高める可能性があるが、ソーシャルメディア上で見られる誤情報の種類は様々であり、すべての誤情報に触れることがワクチン態度やワクチン摂取に影響を与えるわけではない。ソーシャルメディア上では誤報や反ワクチン情報が蔓延しているにもかかわらず、これらの投稿に対する保護者の評価を評価した研究はほとんどない。
目的:本研究では、保護者がTwitter上でどのような誤情報が最も気になるかを調査した。
方法:2022年4月、Qualtricsの調査パネルを用いて、7~10歳の子どもを持つ米国の親263人を対象に調査を行った。調査対象者は、HPVワクチンに関する誤った情報を含むTwitter上の126のツイートから無作為に選んだ9つのツイートを閲覧した。その後、保護者が最も気になるものを3つまで選んだ。このプロセスをもう一度繰り返し、第1ラウンドで表示されなかった117のメッセージから9つを選んだ。この情報をもとに、各ツイートについて、そのツイートを閲覧し、気になるものとして選択した保護者の数に基づいて、懸念スコアを算出した。合計で2人の研究者が、使用された修辞的戦略と言及された健康上の懸念を特定するために、誤報ツイートを独立してコード化した。重回帰は、ツイートの内容がそのツイートの懸念スコアを有意に予測するかどうかを検証した。
結果:異なる誤報ツイートに対する保護者の関心には大きなばらつきがあり、ある誤報は閲覧のわずか2.8%、他の誤報は閲覧の79.5%であった。重ベータ回帰分析によると、ネガティブな感情訴求を用いた誤情報ツイート(b=.79、P<.001)、製薬会社の懐疑的な表現(b=.36、P=.036)、政府の権威を持ち出すツイート(b=.44, P=.02)、入院(b=1.00, P=.003)、麻痺(b=.54, P=.02)、不妊(b=.52, P=.04)に言及することで、誤報ツイートを最も気になると評価する親の割合が有意に増加した。
結論:HPVワクチン接種に関する誤った情報はソーシャルメディア上に偏在しており、そのすべてを対象として修正することは不可能である。誤情報に対抗するためのキャンペーンや介入は、保護者が関心を持ち、最終的にワクチン接種に影響を与える可能性のある誤情報の種類に焦点を当てる必要がある。本研究の結果は、保護者が最も懸念している誤情報の内容を特定し、HPVワクチン接種率向上を目的とした誤情報対策介入を開発する研究者にとって有用なターゲットリストを提供するものである。
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