物語か否か?HPVワクチン接種促進の文脈におけるメッセージの形式と個人の変化段階の役割を検証する。
DOI:10.1093/her/cyaf015
アブストラクト
ナラティブ説得は、ヘルスコミュニケーション・キャンペーンや説得力のあるメッセージデザインにおいて広く用いられてきた。しかし、いくつかのメタアナリシスでは、行動変容を促進するナラティブの相対的効果は、既存の文献では一貫して観察されていないことが示された。本研究では、ナラティブ効果の境界条件を探ることを目的として、ヒトパピローマウイルス(HPV)のワクチン接種を親に勧めるという文脈において、ナラティブ説得と変化の段階が行動変容の促進に及ぼす相互作用を調査した。オンライン実験(N = 593)の結果から、行動変容に取り組む準備ができていない人(すなわち、前熟考段階)では、非物語的メッセージの方が物語的メッセージよりも行動意図の強化に効果的であることが示された。また、行動変容を考えている人(=熟考段階)や行動を起こす意欲のある人(=準備段階)では、ナラティブ・メッセージも非ナラティブ・メッセージも行動意図を高めるのに有効であった。本研究は、ヘルスコミュニケーションにおけるナラティブの役割に重要な理論的洞察を与えるものである。公衆衛生の専門家は、メッセージの効果を高めるために、オーディエンスの特性に合わせたメッセージデザイン戦略を検討することができる。
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