フィンランドで新たに診断された潰瘍性大腸炎患者において、大腸切除術のリスクが低下しています。
DOI:10.1093/ecco-jcc/jjaf081
アブストラクト
背景と目的: 潰瘍性大腸炎(UC)患者における大腸切除術のリスクは、20世紀以降減少傾向にあります。本研究の目的は、新規診断されたフィンランドのUC患者における大腸切除術のリスクを評価し、生物学的療法導入前と導入後のリスクを比較することです。
方法:フィンランド社会保険機関の登録データを用いて新規診断のUC患者を同定し、フィンランド保健福祉研究所から結腸切除術のデータを収集しました。患者はUCの診断年に基づいて3つのグループに分類しました:2000-2005年(生物学的療法前)、2006-2012年、および2013-2020年。
結果:UC患者32,108例と、その患者に対する結腸切除術2,195例を同定しました。1年、5年、10年の累積結腸切除術リスクはそれぞれ1.0%、4.7%、7.3%でした。リスクは発生率比(IRR)0.98(95% CI、0.96-0.99)、IRR 0.97(CI、0.96-0.98)、およびIRR 0.97(CI、0.96-0.99)の順に低下しました。男性と小児群では手術のリスクが高かった(IRR 1.25、CI 1.15-1.37 および IRR 1.69、CI 1.51-1.89)。結腸切除術のリスクは最後の研究時代で低かった(IRR 0.757、CI 0.574-0.997、5年リスク:IRR 0.70、CI 0.61-0.82)であり、10年リスクも第2時代において前生物学的時代と比較して低下していました(IRR 0.87、CI 0.78-0.97)。小児人口では最後の時代のみ手術リスクが低下したのに対し、高齢者におけるリスクは一定でした。結論: UC患者における結腸切除術のリスクは21世紀に低下しました。
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