RSV関連の小児集中治療室入院の全負担:乳児期における前向き全国研究(BRICK研究)
DOI:10.1097/INF.0000000000004712
アブストラクト
背景:世界中で、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は乳児期の呼吸器感染症の主な原因です。入院した乳児の約5%が小児集中治療室(PICU)への入院を必要とします。本研究の目的は、PICU入院の全体像を把握し、新たな予防介入の臨床的影響を完全に理解するために、これまで報告されていない負担を含むデータを収集することです。
方法:オランダで全国規模の前向き観察多施設共同研究を実施しました。対象は、RSV関連でPICU入院が検査で確認された12ヶ月未満の乳児です。収集したデータは、臨床的特徴、入院中の有害事象および有害な出来事、および入院後の親の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状です。
結果:423例の患者中、大多数は正期産(n=335、79.2%)で合併症なし(n=292、69.0%)でした。中央値の年齢は46日(四分位範囲、25.0-89.0)でした。侵襲的機械換気は258例(61.1%)で実施されました。合計で、48例(11.3%)の患者において51件の予期せぬ有害事象が観察されました。有害事象は、侵襲的機械的換気を受けた患者において、他の呼吸支援を受けた患者に比べて頻度が高かったです(91.9%対52.4%;P < 0.001)。3例(0.7%)の患者が死亡し、いずれも重度の合併症を有していました。追跡調査では、120例中35例(29.2%)の親にPTSDの兆候が認められました。
結論:重症RSV疾患の負担は、PICU入院 aloneよりも広範です。入院中、乳児の11%が有害な有害事象を経験し、親の3分の1にPTSDの兆候または症状が認められました。乳児の75%が3ヶ月未満であったため、オランダの予防接種プログラムにRSVワクチンを導入することは、この未認識のRSV負担を大幅に減少させる可能性を有しています。
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