ナミビア、クネネ州オプウォ地区における1~24カ月児のワクチン接種率に関する横断的研究。
DOI:10.1186/s12889-025-22878-y
アブストラクト
ワクチン接種は、世界的に最も費用対効果の高い保健介入のひとつであり、多くの重篤な小児疾患の予防に成功していることが示されている。ナミビアのクネネ地域オプウォ地区における1~24ヵ月児のワクチン接種率について、地区保健情報システムを用いてレトロスペクティブな分析を行った。本研究では、経口・不活化ポリオワクチン、肺炎球菌ワクチン、ロタウイルスワクチン、麻疹・風疹ワクチン、ジフテリア、百日咳、破傷風、B型肝炎、インフルエンザ菌b型の5種類の病気を予防する5価ワクチンに関する子どもの予防接種状況を分析した。その結果、2019~2020年の間、オプウォ地区では少なくとも57.2%の抗原が推奨される80%以上のカバー率に達していた。さらに、62.5%の医療施設が、4つ以上の抗原について最低85%の地区目標カバー率を達成した。二変量検定と線形回帰検定を用いた相関分析では、教育レベル(P < 0.001)、親の職業(P = 0.001)、子どもの出生地(P < 0.001)、妊婦健診への出席(P = 0.036)、出生順位(P = 0.017)といった要因が、調査対象の子どもの予防接種状況と有意に関連していた。男性と女性(P = 0.094)、主な情報源(P = 0.056)、居住地(P = 0.083)と予防接種状況との間には、それぞれ有意な関連は認められなかった。その他の要因としては、医療施設から遠いところに住んでいる、交通費がない、いつ予防接種を受けるべきか知らない、などが予防接種を受けていない、あるいは一部しか受けていない理由であることがわかった。このような子どもの予防接種率に寄与する要因に注目し、比較的開発が遅れている地域の子どもの予防接種率をさらに高めるために、子どもの世話をしている人への教育政策を検討し、実施すべきである。
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