イスラエル北部の恵まれない都市における超正統派ユダヤ教徒とそれ以外の人々のMMRVとDTP含有ワクチンの接種時期、完了率、脱落率の違い:生態学的研究。
DOI:10.1186/s12939-025-02504-4
アブストラクト
背景:超正統派ユダヤ教徒(UO)は百日咳、ポリオ、麻疹の流行によって影響を受けてきた。イスラエル北部のサフェドは、貧しく、ワクチン接種を受けていない都市であり、UO人口が特定の地域に集中している。我々は、サフェドにおけるUO集団の集中が、DTPを含むワクチンおよびMMRV1ワクチンの接種率、適時性、脱落率と関連しているかどうかを調べた。
方法:サフェドの各統計地域について、2020年のイスラエル総選挙におけるUO政党の得票率からUO人口を推定した。この割合が、2017~2022年生まれの子どものMMRV1およびDTPワクチンの適時接種率および遅滞接種率と関連しているかどうかを、単純線形回帰を用いて判定した。UO地域(UO政党への投票率が50%以上)におけるDTPとMMRV1の接種率と脱落率を、カイ二乗検定を用いて他と比較した。
結果:MMRV1およびDTPの分析には、サフェドに居住する4385人の小児を対象とした。DTPとMMRV1の全接種について、UO地域では非UO地域に比べ、予定月齢での接種率が有意に低かった(それぞれ-11.8、-15.8、-16.6、-11.8、-7.1%ポイント(pp)、P<0.005)-36ヵ月齢での接種率は-0.5、-3.9、-6.2、-9.3、-2%ポイント(それぞれ-0.5、-3.9、-6.2、-9.3、-2%ポイント、P<0.005)。格差はDTP4(11.8から9.3pp)よりもMMRV1(7.1から2pp)でより縮小した。UO投票の増加は、DTPの適時接種率の低下と関連していたが、MMRVは関連していなかった。DTP1~4の脱落率は、UO地域では非UO地域よりも高かった(26.2%対18%)。
結論:非UO地域の接種率がすでに低い周辺都市でも、UO地域ではワクチン接種率が低かった。UO地区と非UO地区の接種率の差は、MMRV1では時間の経過とともに減少したが、DTPでは減少しなかった。この調査結果は、ワクチン接種の適時性を非接種と同時に考慮する必要があること、またUO集団ではワクチン接種行動がワクチン特異的である可能性を示唆している。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。