B型血友病におけるrIX-FP予防療法の投与量、第IX因子活性レベルおよび出血確率の関係:反復時間イベント解析による検討
DOI:10.1002/cpt.3724
アブストラクト
血友病Bにおいて、薬物動態(PK)に基づく延長半減期第IX因子(EHL-FIX)濃縮剤の投与は、目標とするFIX曝露量を確保できる。血漿中の目標FIX活性レベルは、主に出血傾向を考慮し、目標関節の存在、身体活動量、希望する投与スケジュールを併せて個別に設定すべきである。つまり、治療の個別化においてはPKと薬力学(PD)の両方が関連する。本研究の目的は、特に凝固因子IXとアルブミンを結合させた組換え融合タンパク質(rIX-FP)であるEHL-FIX濃縮製剤について、投与量・FIX活性レベル・出血の関連性を検証することである。内因性FIX活性レベルが≤2 IU/dLのB型血友病患者を対象とした5つの臨床試験データを統合した。出血確率はパラメトリック反復時間イベントモデル(RTTE)で記述した。データには、114名の患者(中央値年齢26歳、範囲1-61歳)から得られた2,493件のFIX活性値と514件の出血が含まれ、追跡期間の中央値は416日(範囲6-1,233日)であった。関節が最も頻度の高い出血部位(46%)であり、出血の過半数は外傷関連(52%)であった。全体として、60%が損傷を伴う出血、40%が軽度の出血に分類された。FIX活性レベルがゼロの場合、年間7.3回の出血というベースラインハザードが算出された。FIX活性値が12 IU/dLの場合、全出血発生確率は50%減少した。類似したFIX活性値を持つ個人間でも出血ハザードの変動幅は大きく(182%)、シミュレーションでは谷間FIX活性値を20 IU/dLに維持した場合、年間出血率(ABR)の中央値がゼロ(範囲:0-3)となることが示された。
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