早産と死産:妊娠肝内胆汁うっ滞における総胆汁酸値と双胎妊娠の転帰:2014年から2022年までのレトロスペクティブ・コホート研究。
DOI:10.1186/s12884-025-07644-7
アブストラクト
背景:妊娠性肝内胆汁うっ滞症(ICP)は、母体のそう痒と血清胆汁酸の上昇を特徴とする妊娠特有の肝障害である。双胎妊娠はハイリスク妊娠の一種であり、単胎妊娠と比較してICPを合併するとさらに複雑な問題が生じる。本研究の目的は、妊娠性肝内胆汁酸症における胆汁酸値と、双胎妊娠における早産や死産などの有害な妊娠転帰との関係を調査することである。
方法:2014年1月から2022年7月まで、四川大学第二病院において、ICP合併双胎妊娠を対象としたレトロスペクティブ単一施設コホート研究を実施した。患者は妊娠中の総胆汁酸のピーク値に基づいてグループ分けされた。妊娠転帰指標として、分娩時の妊娠週数、早産、胎児発育制限、胎児期苦悶、死産、膜早期破裂、メコニウム染色羊水、新生児出生体重におけるこれらのグループ間の差異が観察された。
結果:ICPを合併した双胎妊娠1156例において、軽症430例、中等症低値392例、中等症高値292例、重症42例に分類された。妊娠転帰については、分娩時の妊娠週数(P<0.001)、早産率(P<0.001)、新生児体重(P<0.001)、メコニウム染色羊水発生率(P<0.001)、低出生体重児の割合(P<0.001)において、4群の妊婦間で有意差が認められた。
結論:本研究の結果は、妊娠肝内胆汁うっ滞(ICP)の重症度が、早産、新生児出生時体重、メコニウム染色羊水汚染などの有害な妊娠転帰と関連していることを示している。さらに、胆汁酸値の異なるグループ間で、分娩時の妊娠週数は死産発生に異なる傾向を示した。
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