ヨルダン人におけるサイトメガロウイルスとエプスタイン・バーウイルス感染症:抗体陽性率と関連要因。
DOI:10.1186/s12879-025-11110-2
アブストラクト
背景:サイトメガロウイルス(CMV)とエプスタイン・バーウイルス(EBV)は、地域や人口統計学的特性によって抗体陽性率が異なる広範な感染症です。本研究の目的は、ヨルダン人口におけるEBVとCMVの抗体陽性率を調査し、これらの感染症に関連する可能性のあるリスク要因を明らかにすることです。
方法:ヨルダンの中央部と北部地域にある病院から利便性サンプリングにより、合計1,507名の対象者を募集しました。参加者は年齢、性別、地理的地域により層別化されました。血液サンプルはELISA法を用いてEBV-VCAおよびCMV IgG抗体を測定しました。人口統計学的および社会経済的情報も収集されました。潜在的なリスク要因を特定するため、年齢、性別、婚姻状況、教育レベル、月収、地域、居住形態などの変数を対象に多変量ロジスティック回帰分析を実施しました。結果: CMV-IgGの全体的な抗体陽性率は88.7%、EBV-IgGは91.0%でした。CMVとEBVの抗体陽性率は、5歳未満の子供ではそれぞれ62.4%と70.6%から、60歳以上の参加者では100.0%と96.5%に増加しました。回帰分析の結果、年齢がより高いことと、既婚者(結婚歴のある者、離婚者、または未亡人)であることが、両ウイルスの抗体陽性率と有意に関連していました。さらに、個人当たりの月収が64.3 JD以上の場合、EBVの抗体陽性率と独立した関連性が認められました。
結論: ヨルダンにおけるEBVとCMVの抗体陽性率は著しく高かったです。年齢が最も顕著なリスク要因であり、婚姻状況と収入が独立した予測因子として寄与しました。これらの結果は、高リスク群を対象とした監視やワクチン接種戦略を含む今後の公衆衛生対策の貴重な参考資料となります。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。