ニルセビマブ予防投与が北イタリアにおける呼吸器合胞体ウイルス感染症の経済的負担に与える推定影響。
DOI:10.1186/s13052-025-01991-z
アブストラクト
背景:呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、乳児における急性下気道感染症(LRTI)の主要な原因の一つです。しかし、北イタリアにおける乳児のRSV関連LRTIの健康と経済的な負担は、十分に評価されていません。本研究では、北イタリアの2つの県において、6ヶ月未満の乳児において救急部門(ED)受診と/または入院を要したRSV関連LRTIの臨床的・経済的負担を評価し、最近承認されたモノクローナル抗体による普遍的予防接種の潜在的な影響を推定しました。
方法:2021-2022年および2022-2023年のRSV流行シーズンにおける疫学データは、行政記録から取得し、機密保持要件に準じて匿名化しました。資源利用は、既存の文献および全国的な病院退院記録の分析から得られた各イベントに関連するコストを用いて推定しました。静的決定分析モデルを用いて、RSV関連健康アウトカムおよび関連コストを推定しました。
結果: 2つの連続した流行シーズンにおいて、RSV関連で882件の救急外来受診と430件の入院が記録されました。集中治療室への入院は85件必要でした。普遍的予防接種により、406件の救急外来受診と199件の入院を回避できると推定されました。総経済的負担は€150万を超えると推定され、そのうち51%が入院費用、20%が集中治療費用、9%が救急外来受診費用でした。RSV関連LRTIの長期的な後遺症の管理に追加で10%が推定されました。普遍的な予防接種により、救急外来受診費用€124,092と入院費用€999,629の支出を回避できると推定されました。
結論:これらの結果は、RSV疾患の重大な健康と経済的負担を浮き彫りにし、普遍的な予防戦略の潜在的な利益を強調するとともに、免疫予防策の実施に関する政策決定者に情報を提供しています。
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