遺伝性代謝疾患における移行期:管理栄養士、小児科医、成人科医の視点:イタリアの調査結果。
DOI:10.1186/s13023-025-03755-8
アブストラクト
背景:遺伝性代謝疾患(IMDs)に罹患した患者は、効果的な新生児スクリーニングとより良い臨床管理により、より長く生き、疾患の負担が軽減されています。これにより、患者が年齢を重ねるにつれ、適切な生涯にわたるケアを提供するという課題が浮上しています。本研究の目的は、イタリアにおけるIMDsに罹患した患者の小児科から成人医療への移行に関する経験を評価することです。特に、栄養療法のアプローチにも焦点を当てています。この目的のため、REDCap®上でアンケートが作成され、イタリアIMDと新生児スクリーニング学会(SIMMESN)の「栄養学と栄養療法作業部会」および「成人における遺伝性代謝疾患作業部会」の会員にメールで配布されました。配布はMetabERNの協力により実現しました。
結果:合計49件の有効な回答が収集されました(医師28名、管理栄養士21名)で、35の異なる施設から回答が得られました。医師のうち13名は小児患者を診療しており、残りの15名はIMD患者の成人診療を担当していますが、専門分野は多様です。管理栄養士のうち、IMD患者を主な業務として担当しているのは6名のみです。35施設中、19施設は移行プログラムを未導入(そのうち10施設は導入を試みている)で、参加者の42%が移行プログラム導入の主な障害として「適切な施設の特定が困難」と回答しました。移行プログラムを有する16施設において、参加者の43%が報告した主な困難は、成人施設における心理士の不足と、成人サービスチームにおけるIMDに関する専門的な訓練の不足でした。後者は、栄養士からも最も多く投票されました(44%)。
結論:実施された調査は、イタリアの移行プログラムの現状、既にプログラムを導入している施設における均一性の欠如、および新たなプログラム開発の障害を把握するものです。明確に浮き彫りになったのは、移行プログラムの標準化、IMDを有する成人患者を治療する専門医の養成経路の明確化、および専任の管理栄養士の配置の必要性です。
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