ヒトサイトメガロウイルス感染と重度な口唇口蓋裂の発生率との関連性:稀な症例シリーズ。
DOI:10.1186/s12903-025-06165-1
アブストラクト
背景/目的:ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染は、CLPの発症リスク因子としてほとんど報告されていません。本研究の目的は、HCMV感染と重度な口唇口蓋裂の発症との関連性を報告することです。
材料/方法: 本研究には、重度の口腔顔面裂を呈する5例の乳児が対象として含まれました。そのうち1例は左眼窩に及ぶ斜め顔面裂を伴い、左眼球欠損を呈していました。もう1例は下方に延長する顔面裂を呈し、下唇裂、下顎裂、舌裂を伴っていました。すべての患者の母親から採取した血液サンプルにおいて、HCMV IgGの量を測定しました。
結果:対象乳児の母親5名全員の血液サンプルから、HCMV IgG陽性反応が検出され、その値は908.8(±400.6)でした。臨床症状が重症な症例ほど、HCMV IgGの量が有意に高かったです。制限事項:重度の口腔顔面裂孔症の症例が稀なため、対象患者は5例のみでした。遺伝的データや対照群の欠如も制限事項です。
結論:重度の口腔顔面奇形を有する症例の希少性という制限内において、妊娠前または妊娠中の母親のHCMV感染は、重度の口腔顔面奇形の発生リスク因子の一つである可能性があります。
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