小児脳静脈洞血栓症の特性と転帰:小児保健情報システムデータベースからの知見。
DOI:10.1016/j.thromres.2025.109340
アブストラクト
脳静脈洞血栓症(CVST)は新生児と小児では稀ですが、重大な合併症と死亡率と関連しています。この横断研究では、2011年から2022年の間に小児保健情報システム(PHIS)データベースに報告された48の米国小児病院から得られた6,416,586件の診療記録(5,623,213人のユニーク患者)を対象に、CVSTの発生率を調査しました。多変量解析により、新生児と小児における死亡率に関する要因を比較しました。CVSTの診断を受けた入院は6,080件(全入院の0.1%)で、4,997人のユニークな患者を包含し、男性が60.9%、中央値年齢は5歳(範囲0~17歳)でした。新生児は全入院の17.3%(n = 1054)を占め、入院期間が長く(中央値24日[四分位範囲11-52] vs. 8日[四分位範囲4-17];P < 0.001)と高い集中治療室入院率(92.3%対55.6%;P < 0.001)を示しました。新生児では抗凝固療法の施行率が年長児より低かったです(46.8%対66.2%;P < 0.001)。頭蓋内出血は新生児でより頻度が高かった(19.1 % vs. 7.0 %, P < 0.001)。研究対象集団の全体的な死亡率は4.8 %であった。新生児は年長児に比べて死亡率が高かった(9.9 % vs. 3.5 %; P < 0.001)。入院中に抗凝固療法を施行した患者では、新生児(オッズ比 0.63;95%信頼区間 0.41-0.98)および年長児(オッズ比 0.23;95%信頼区間 0.16-0.32)の両方で死亡率が有意に低下しました。本研究では、CVSTを有する新生児は、年長児と比較して独自の臨床的特徴を有し、死亡率が有意に高いことが示されました。入院中の抗凝固療法は、新生児および年長児の両方で、死亡率の統計的に有意な低下と関連していました。
会員登録すると記事全文を読むことができるほか、「NEJM Journal Watch」や「国内論文フルテキスト」といった会員限定コンテンツを閲覧できます。