母親の抗てんかん薬の曝露が周産期および子孫の転帰に与える安全性の懸念:FDAの有害事象報告システムに基づく不均衡分析。
DOI:10.1007/s00415-025-13172-3
アブストラクト
背景: 多くの女性が妊娠中に抗てんかん薬(ASMs)に曝露されており、妊娠および胎児の健康リスクに関する懸念が指摘されています。現在の安全性データは不十分であり、さらなる調査が急務です。
方法:FDA有害事象報告システム(2010~2023年)のデータを使用し、母親のASM曝露と妊娠および胎児の毒性との関連性における不均衡分析に、報告オッズ比(ROR)とベイジアン信頼度伝播ニューラルネットワーク(BCPNN)を併用しました。さらに、多剤併用症例を除外してシグナル調整を行い、2つのASMの薬物相互作用(DDI)シグナルをΩ収縮法とカイ二乗検定を用いて同定しました。結果:23種類のASMに曝露された3,459人の母親から、10,910件の有害事象が報告されました。59件の奇形シグナル、27件の周産期有害事象シグナル、35件の奇形シグナルが同定されました。伝統的なASMでは、バルプロ酸(VPA)とカルバマゼピン(CBZ)が最も多くのシグナルを示し、一方、新しいASMではレベチラセタム(LEV)、ラモトリギン(LTG)、ラコサミド、ガバペンチン、およびトピラマート(TPM)が優勢でした。心臓奇形、神経発達障害、および胎児・新生児の成長障害に関するシグナルは広範に認められ、特定のアウトカムにおける最も強いシグナルは、ゾニサミド [ROR=14.82、95% CI:5.43-40.41]、ガバペンチン [ROR=52.52、95% CI:15.68-175.95]、およびブリバラセタム [ROR=22.96、95% CI:8.42-62.61] で最も強かったです。6つのDDIシグナルが3以上を示し、そのうちLTG+LEV/VPAは奇形、CBZ+ラコサミド/LTG、およびVPA+クロナゼパムは胎児喪失と関連していました。
結論:LEVとLTGに関連する潜在的なリスクは予想を上回っており、特に併用療法においてさらなる評価が求められます。さらに、VPA、CBZ、TPM、ラコサミドなど、広範なシグナルを示す抗てんかん薬(ASMs)には、特に注意が必要です。
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