上海市における急性呼吸器感染症の地域負担:呼吸器病原体に関する縦断的コホート研究、中国、2024-2027年。
DOI:10.1136/bmjopen-2024-097732
アブストラクト
目的:私たちは、中国上海市におけるインフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、およびSARS-CoV-2に関連する急性呼吸器感染症(ARI)の年齢別発生率、医療利用状況、およびリスク要因を評価するため、縦断的コホート研究「上海市における急性呼吸器感染症の地域負担」を実施しています。
対象者: 研究対象者は、中国上海市浦東新区の47の地域保健サービスセンターで家族医によって登録されました。登録対象は、浦東に6ヶ月以上居住し、6ヶ月以上の永住権を有する者で、最初の研究年度中に浦東を1ヶ月以上離れる予定のある者は除外されました。登録時、研究スタッフは社会人口統計、基礎疾患、ワクチン接種歴、世帯および自己評価の健康状態に関する基線評価を実施しました。研究参加者は、ARIの発症について3年間追跡されています。ARIが疑われる症例から鼻咽頭および口咽頭の拭い液検体を採取しています。インフルエンザウイルス、RSV、SARS-CoV-2を含む呼吸器病原体は、マルチプレックス呼吸器病原体リアルタイム定量PCR検査で検出されます。ARI症例の病気の経過と臨床的回復は、症例確認後28日間、週1回の連絡を通じて評価されています。現在の所見:2024年10月14日から2024年11月22日まで、6ヶ月から2歳の乳幼児233名、3~6歳の保育園児278名、7~18歳の学齢期児童575名、19~64歳の成人2,150名、65歳以上の高齢者2,151名が含まれます。全員が生検を完了し、追跡調査を開始しました。ARI症状の監視、検体の収集、および検査は継続中です。
今後の計画:本研究の結果は、中国における呼吸器疾患の継続的な対策と今後のパンデミック対策に役立つ科学的データを提供するために活用されます。計画中の分析には、年齢層別の年間病原体別発生率の分析、ARIおよび重症ARIに関連する医療受診行動と要因の探索が含まれます。また、家庭内伝播サブコホートにおける一般的な呼吸器病原体の伝播動態の評価も行います。
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