コエンザイムQ10のペディアトリック患者におけるリソソーム貯蔵障害に対する心保護効果。
DOI:10.1186/s13052-025-02008-5
アブストラクト
背景:リソソーム貯蔵疾患(LSDs)は、特定の基質が分解不能により蓄積し、心臓を含む複数の臓器の細胞機能障害を引き起こす疾患です。心臓は心筋症の重要な原因の一つであり、治療可能な疾患として注目されています。代謝異常における酸化ストレスの役割を考慮し、多くの研究でLSDs患者における酸化ストレスの評価と、抗酸化物質の役割が検討されています。
本研究の目的:LSDs患者におけるコエンザイムQ10の心保護作用および抗酸化作用の可能性を評価することです。
方法:本研究は、タンタ大学病院小児科の医療遺伝学および先天性代謝異常症部門において、LSDs患者30例と同数で年齢と性別を一致させた健康な対照群を対象とした前向きケースコントロール研究です。すべての対象者は、詳細な病歴聴取、全身的な身体検査、血清中のN-末端プロ脳ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)および血清マロンジアルデヒド(MDA)の測定、ならびに組織ドップラー画像法とスポット追跡エコーを用いた総合的な心臓評価を受けました。その後、患者群は2つのサブグループに分けられ、半数の患者はコエンザイムQ10(CoQ10)を、残りの半数はプラセボを24週間投与され、その後、両サブグループにおいて心臓評価と血清MDAおよびNT-proBNPの再評価が行われました。
結果:LSDsを有する患者は、対照群に比べて血清MDAのレベルが有意に高く、酸化ストレスが高いことを示しました(P値<0.001)。CoQ10は、CoQ10を投与された患者群において血清MDA(15%)およびNT-proBNP(30%)の有意な減少をもたらし(P値<0.001)、LSDsを有する患者の心臓機能パラメータの改善が認められました。
結論:これらの結果は、CoQ10が酸化ストレスの軽減に役割を果たし、LSDs患者における心筋症の発症を予防する可能性を示唆しています。臨床試験登録:本研究は、エジプト・タンタ大学医学部倫理委員会(承認番号33255/07/19)の承認後、子どもの保護者の書面による同意を取得して実施されました。また、この試験はパナフリカン臨床試験登録機構(PACTR)に登録されており、登録番号はPACTR202107466690046です。登録日は2021年7月4日です。
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