超希少疾患:孤立性硫黄酸化酵素欠損症の自然歴に関する横断的定量分析。
DOI:10.1371/journal.pone.0323043
アブストラクト
目的:孤立性硫黄酸化酵素欠損症(ISOD;OMIM #272300)は、SUOX遺伝子の両アレルに病原性変異が存在するため、新生児期の難治性てんかんおよび進行性重度脳症を特徴とする重篤な希少神経代謝疾患です。ISODの定量的自然歴に関する知識は限られており、今後の臨床試験における臨床アウトカムパラメータの定義は未確立です。
材料と方法: ISOD患者(N=74)の既報症例に対し、定量的回顧的自然歴モデリング(QUARNAM)を適用した包括的解析を実施しました。主要なアウトカムパラメーターは、疾患発症年齢、診断遅延、生存期間でした。臨床的特徴と生化学的パラメーターと臨床的アウトカム(例:疾患発症年齢、生存期間)との潜在的な関連性を探索しました。
結果:研究対象集団の生存期間の中央値は60ヶ月でした。ISODは出生直後に発症し、発症年齢の中央値は3日でした。診断年齢の中央値は10ヶ月で、診断遅延の中央値は5.7ヶ月と大幅に遅れていました。血漿中のホモシステイン濃度は発症年齢と相関していました。システイン代謝の生化学的パラメーターと生存との関連性は確認できませんでした。
結論:本解析は、ISODの自然歴に関する定量的理解を深める長期的なアウトカム指標を報告し、今後の前向き臨床試験の計画に役立つ可能性があり、将来的な標的療法の開発を促進する可能性があります。
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