ガウシェ病I型およびIII型における聴覚・前庭機能の所見:GD1における前庭機能障害の証拠。
DOI:10.1002/jimd.70046
アブストラクト
ガウシェ病(GD)は、最も一般的なリソソーム貯蔵疾患であり、全身性と神経系の関与の程度が異なることが特徴です。本研究では、ガウシェ病型I(GD1)および型III(GD3)の患者において、聴覚・前庭系関与を聴力検査と前庭機能検査を用いて調査することを目的としています。2001年1月から2023年9月までに、Çukurova大学医学部耳鼻咽喉科外来を受診したGDと診断された42例の患者を対象に、後方視的解析を実施しました。評価には、純音聴力検査(PTA)、言語弁別スコア(SDS)、音響インピーダンス検査、およびビデオ頭部衝動検査(vHIT)が含まれました。42例中、18例がGD1、24例がGD3と診断されました。聴覚前庭系異常は11例(26.2%)に認められました。感覚神経性難聴(SNHL)は9例(GD1 4例、GD3 5例)に認められ、そのうち5例は両側性でした。難聴の重症度は軽度から中等度まででした。前庭機能障害は、前庭眼球反射(VOR)の減弱とキャッチアップサッカード(CUS)により示され、5例(主にGD3例)に観察されました。注目すべきは、3例(GD1 1例、GD3 2例)で聴覚・前庭機能障害の合併が認められた点です。本研究は、GD1における前庭機能障害の関与を初めて報告したものです。聴覚・前庭機能異常はGD1とGD3の両患者で発現し、異なる関与パターンを示します。聴覚と前庭機能の定期的な評価は、感覚障害の早期発見、リハビリテーション戦略の指針、およびGD患者の生活の質の向上に不可欠です。
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