先天性サイトメガロウイルス感染症の患者から採取したホルマリン固定パラフィン包埋組織におけるヒトサイトメガロウイルス全ゲノムのDNAシーケンシング。
DOI:10.1371/journal.pone.0318897
アブストラクト
背景:先天性サイトメガロウイルス疾患(cCMV)は稀ですが、重症化する可能性があります。原因ウイルスであるヒトサイトメガロウイルス(HCMV)のゲノム配列変異が臨床経過に与える役割を解明する研究は、これまで新鮮組織から得られた少数のサンプルに依存してきました。世界中に設立された広範なホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)cCMVバイオバンクは、今後の研究に大規模なサンプル数を提供する可能性があります。しかし、このような材料からHCMVの全ゲノムをシーケンシングした報告は存在しません。目的:cCMV FFPE材料からHCMVの全ゲノムをシーケンシングすること。
研究デザイン:胎児または新生児のcCMV症例10例から、胎児の腎臓または胎盤組織のFFPEサンプル16例を処理しました。FFPE材料からDNAを抽出するための2つの市販キットを評価し、抽出物からHCMV DNAを濃縮し、イルミナプラットフォームでシーケンスしました。シーケンスリードデータセットは、公開されたソフトウェアパイプラインを使用して、遺伝子型解析、ゲノムアセンブリ、変異検出を行いました。
結果:どちらのDNA抽出キットを使用しても、5例においてHCMVの全ゲノムがシーケンスされました。結論:cCMV FFPE材料からHCMVの全ゲノムをシーケンスすることは可能です。これは、cCMVの変異が臨床結果に与える影響を研究する今後の研究を促進する可能性があります。
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