トリヘプタノイン療法が長鎖脂肪酸酸化障害患者における臨床的および検査所見に与える影響。
DOI:10.1007/s00431-025-06216-3
アブストラクト
未分類:長鎖脂肪酸酸化障害(LC-FAOD)は、脂肪酸の代謝障害により代謝危機、入院、生活の質低下を引き起こす希少な代謝疾患です。食事療法にもかかわらず、多くの患者は持続的な合併症を経験します。7炭素トリグリセリドであるトリヘプタノインは、エネルギー源を提供し代謝安定化を支援する治療選択肢として注目されています。本研究の目的は、トルコでトリヘプタノイン療法を受けたLC-FAOD患者の臨床的転帰を評価することです。トルコで実施された全国的な後向き研究において、同情使用プログラムの一環として経口トリヘプタノインを投与されたLC-FAOD患者14例のデータを分析しました。研究では、救急外来受診回数、入院回数、代謝性悪化エピソード、クレアチンキナーゼ(CK)値、低血糖、心臓機能に関するデータを収集しました。さらに、患者報告アウトカムはアンケートを通じて評価されました。研究の結果、トリヘプタノイン療法は月間の救急サービス利用回数と入院回数を有意に減少させました(p<0.01)。筋痛発作の頻度にも顕著な減少が観察されましたが、横紋筋融解症発作の減少は統計的有意差に至りませんでした。さらに、代謝危機時のクレアチンキナーゼ値は、トリヘプタノイン療法後に著明に低下しました(p<0.0001)。心筋症を有する患者では、7例中4例で心機能の改善が認められました。アンケートデータでは、食欲、身体機能、および全体的な生活の質の改善が示されました。
結論:トリヘプタノイン療法は、LC-FAODと診断された患者において、救急外来受診頻度、入院率、代謝危機の頻度減少を含む、有意な臨床的改善と関連することが示されました。これらの結果は、LC-FAODの管理における治療アプローチとしてトリヘプタノインの活用可能性を支持するものです。
既知の事項: • 長鎖脂肪酸酸化障害(LC-FAOD)は、中鎖トリグリセリド(MCT)を含む従来の食事療法にもかかわらず、代謝危機による重大な合併症を引き起こす疾患です。
新たな知見: • この全国規模の研究では、トルコにおけるLC-FAOD患者において、トリヘプタノイン療法が緊急外来受診、入院、代謝危機時のクレアチンキナーゼ値を显著に減少させ、身体活動や生活の質を含む患者報告アウトカムを改善することが示されました。
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