小児期に発症した好酸球性肉芽腫症を伴う多発血管炎の2例:抗インターロイキン-5療法による治療例(乳児発症型と顎下唾液腺病変を伴う例)
DOI:10.1186/s12969-025-01115-1
アブストラクト
背景:ANCA関連血管炎は、小血管および中血管を侵す全身性自己免疫疾患です。好酸球性肉芽腫症を伴う多発血管炎(EGPA、旧称Churg Strauss症候群)は、小児期には最も稀な形態であり、報告例は少ないです。本報告では、抗インターロイキン-5療法で治療された2例のユニークな小児例を報告します。
症例報告: 症例1は、喘息とアレルギーを有する13歳の男性で、1ヶ月間の咳嗽と眼瞼周囲の浮腫を主訴として受診し、その後顎下腫脹を発症しました。検査結果では、慢性副鼻腔炎、体重減少、c-ANCA陽性、抗MPO IgG抗体陽性、末梢血好酸球増加、肺好酸球増加、気管および肺の結節、顎下唾液腺の好酸球浸潤、肉芽腫および線維化が認められ、EGPAと診断されました。グルココルチコイドとメポリズマブで著明な部分奏効を示し、最終的にベンラリズマブとミコフェノール酸モフェチルに切り替え、完全奏効を達成しました。症例2は、反応性気道疾患の既往歴を有する19ヶ月齢で急性呼吸困難を呈して受診しました。抗MPO抗体とp-ANCA陽性を背景に、肺生検(好酸球性毛細血管炎と好酸球の間質性拡張)によりEGPAと診断されました。メポリズマブで3年間良好な経過をたどっています。
結論:当院の知見では、EGPA患児における顎下唾液腺浸潤の最初の報告例であり、文献上で報告された最年少の成功例です。これらの症例は、EGPA患児における年齢と疾患症状の多様性、および抗インターロイキン-5療法への陽性反応を示しています。EGPAを有する小児は、一般的な症状や珍しい症状を呈することがあり、診断の遅延や長期的な障害を避けるため、適切な認識が重要です。
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