新生児BCGワクチン接種による喘息予防:MIS BAIRランダム化比較試験の結果。
DOI:10.1111/pai.70110
アブストラクト
背景:喘息は世界中で重大な影響を及ぼしていますが、予防戦略は依然として限定的です。本研究では、早期の免疫応答を調節することで、新生児期のBCGワクチン接種が喘息予防に有効かどうかを評価することを目的としました。
方法: メルボルン乳児研究:BCGによるアレルギーと感染症の減少(MIS BAIR)は、オーストラリアのビクトリア州で実施された第3相多施設ランダム化比較試験です。乳児は出生後10日以内にBCG-デンマークワクチンを接種する群と対照群にランダムに割り当てられました。5歳時の喘息発症率は、小児喘息とアレルギーの国際研究(ISAAC)の質問票を用いて推定されました。
臨床試験:gov(NCT01906853)。結果:合計1,272人の乳児がランダム化されました。調整後喘息発症率は、BCG群で14.4%、対照群で16.0%(調整後リスク差[aRD] -1.7パーセントポイント;95%CI -7.4、3.9)でした。二次アウトカム(重症喘息と予防薬の使用)でも同様の傾向がみられ、aRDはそれぞれ-3.9(95%CI -7.7, 0.0)と-5.6(95%CI -10.9, -0.4)で、BCG群が優位でした。喘息を有する親を1人または両方の親に持つ参加者において、BCG群の喘息有病率は対照群(24.7%)に比べて低かった(17.6%;aRD -7.2;95%CI -15.9, 1.5)。ただし、相互作用の検定は有意ではなかった(p=0.07)。
結論:ポイント推定値はBCGワクチンが喘息予防に有効である可能性を示唆していますが、推定値の広い不確実性から、BCGワクチンの主要な適応を超えて長期的な利益を評価するためには、より大規模なサンプルサイズを用いた追加の研究が必要です。
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