タピナロフを用いたアトピー性皮膚炎における2つの第3相臨床試験で、かゆみの迅速な緩和が確認されました。
DOI:10.36849/JDD.8860
アブストラクト
背景:ADORING 1および2相3試験において、タピナロフクリーム1%を1日1回(QD)投与した結果、アトピー性皮膚炎(AD)を有する成人および2歳までの小児において、有意な有効性が示され、良好な忍容性が確認されました。本研究では、これらの試験におけるかゆみの軽減までの時間を評価しました。
方法:813例の患者をタピナロフクリーム1%またはプラセボ(QD)にランダムに割り当て、8週間投与しました。かゆみの軽減は、ピークかゆみ数値評価尺度(PP-NRS)スコア(毎日および1、2、4、8週目の訪問時)で評価しました。
結果:ADORING 1と2のベースライン時の平均PP-NRSスコアはそれぞれ6.7と6.8でした。タピナロフは車両対照群に比べて、初回投与後24時間後の1日目からPP-NRSスコアの平均日次スコアの減少が有意に大きかった(-1.2 vs -1.0;プール後事後解析)。2日目には有意な改善が認められた(-1.6 vs -1.1、P=0.0115)。日次のかゆみの改善は8週目まで継続しました。ADORING 1では週1日目において、tapinarofと車両群の平均週次PP-NRSスコアの有意な減少が示されました(-2.0 vs -1.2、P<0.0001)、ADORING 2でも同様の結果が得られました(-2.0 vs -1.3(P=0.0010)で示され、8週目まで継続し、-4.1 vs -2.6および-4.1 vs -2.4(いずれもP<0.0001)でした。結論:タピナロフはアトピー性皮膚炎患者において、初回投与後24時間以内に改善が開始され、2日目までに統計学的に有意な改善を示す、迅速かつ臨床的に意味のあるかゆみ軽減効果を示しました。
引用:Simpson EL, Silverberg JI, Bissonnette R, et al. Rapid onset of itch relief with tapinarof in two phase 3 trials in atopic dermatitis. J Drugs Dermatol. 2025;24(6):600-607. doi:10.36849/JDD.8860R1.
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