思春期における定期健診時のヒトパピローマウイルスワクチン接種の機会。
DOI:10.1186/s12889-025-23235-9
アブストラクト
背景:ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは有効であるにもかかわらず、米国(US)での接種率は依然として不十分で、推奨される13歳までにHPVワクチン接種シリーズを完了する米国青少年はわずか約半数に留まっています。青少年は年間健康診断時にワクチン接種を受ける可能性が高く、これらの診察はHPVワクチン接種の促進と接種シリーズ完了率の向上を図る重要な機会となります。さらに、9歳でのHPVワクチン接種開始が、思春期におけるHPVワクチン接種率の向上に寄与する可能性が指摘されています。本研究の目的は、思春期の定期健診におけるHPVワクチン接種のパターンを記述し、9歳時のHPVワクチン接種の潜在的な機会を定量化することです。
方法:この後ろ向き記述的分析には、2018年から2022年までMarketScan CommercialまたはMulti-State Medicaidデータベースに継続的に登録された9~14歳の思春期が含まれました。各年齢層と暦年ごとの定期健診の割合と接種されたワクチンを分析しました。9歳、10歳、11歳、12歳の定期健診における思春期のHPVワクチン接種機会を評価しました。
結果:9歳の定期健診では、ワクチン接種の請求がなかった割合が89.0~91.7%でした。一方、11歳で2種類または3種類のワクチンを同時に接種した割合は22.2~37.2%で、主に髄膜炎菌ワクチンとTdapワクチンでした。11歳と12歳でHPVワクチン接種を開始した割合は依然として不十分でした(17.9~24.3%)。HPVワクチン接種に関する複数の潜在的な機会を特定しました。9歳または10歳の定期健診でHPVワクチンを接種しなかった青少年において、34.8~36.9%が11歳または12歳の定期健診を受診していませんでした。11歳と12歳の定期健診を受診した青少年において、20.6~30.0%がワクチン接種の請求がありましたが、HPVワクチンではありませんでした。11歳または12歳の定期健診を受診し、他のワクチンを1回以上接種したがHPVワクチンを接種しなかった青少年において、9歳または10歳の定期健診を受診し、その時点でHPVワクチン接種を開始しなかった割合は40.6~46.1%でした。結論:9歳の定期健診から開始する定期的なHPVワクチン接種は、ワクチン接種率向上の機会を最適化できる可能性があります。
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